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執筆者の写真立命館大学 丹後村おこし活動チーム

OBの林さんへのインタビュー

大学生のときに村おこしでつくったお米を食べたときに涙が出そうなほど感動した。そのときの感動をきっかけに蒜山で農業をしていらっしゃる亮麻農園の林さんとは?

インタビュー先

亮麻農園 林 亮佑さん

インタビュアー

丹後村おこし活動チーム

自然と一体となって蒜山で農業をされている亮麻農園さん。私たち丹後村おこし活動チームのOBでもある林亮佑さんに農業を始めたきっかけやこだわり、やりがいなどについてお伺いしました。


蒜山高原で、気候を活かした農作物づくり

-林さんは現在、どのようなお仕事をされていますか?

岡山県真庭市の蒜山という地域で大玉トマトと白ネギととうもろこしの3種類をメインにつくっています。

大玉トマトの収穫時期は7月の中旬から11月の中旬までです。蒜山の春先は寒くてトマトの苗が壊死してしまうため、ぎりぎりまで収穫を早めても7月中旬になります。また、11月になると気温が下がりすぎて熟さなくなってしまうため、伸ばしても11月の中旬までしか収穫ができません。他の農家さんだと半年ほどかけて収穫することが多いですが、うちは限られた中でトマトを栽培しています。

白ネギの収穫は9月からです。暑い地域だと白ネギは成長が止まってしまうため、9月に白ネギを出荷できるのは高原の涼しい地域特有の出荷体系です。12月の初めぐらいまでは収穫できます。

とうもろこしは観光客向けにつくっているため、お盆の1,2週間で全部刈り取ってしまいます。

7月から11月の5ヶ月間しか収入がないため、その後7ヶ月間無収入になってしまう。冬は毎年試行錯誤しています。ですが、無理して規模を拡大するよりも、冬も仕事を見つけて経営できたらいいなと思っています。

今年の冬は、家の隣に牛舎があって、そこで搾乳の仕事をさせてもらえることになりました。去年の冬は、茅葺きの材料として商品化する茅を刈りました。

過去には大阪に出稼ぎに来ていたこともありました。

-一日の流れを教えてください!

4時半に起きて、5時からトマトの収穫を始めてだいたい9時までに終わらせます。それから朝ご飯を食べて、その後はトマトの枝の管理をします。トマトの枝はどんどん伸びていくので、その作業を日中にします。昼は2,3時間ほど休憩をとって、夕方16時ごろからまた収穫をします。18時くらいには収穫が終わって、1時間ぐらいは明日の準備や畑の片付けをして19時に終わります。21時には子どもとベッドに入って10時には寝ていますね。


-農業を始めたきっかけはなんですか?

大学1回生のときに村おこしで田んぼプロジェクトが始まりました。草取りとかを頑張って秋に収穫できたお米は本当に涙が出るほど美味しかった。そのときに農作物をつくって生計をたてる農家になろうと強く思いました。この経験が何にも代えられない原動力になりました。

実は大学自体は中退していて、中退後は農家になるために試行錯誤しました。様々な農家さんにアルバイトに行ったりもしました。

蒜山で農業をすることになったのは、自分の父親の実家が岡山にあるので岡山の農業法人でしっかり勉強しようと思って、蒜山の農業法人に勤めたことがきっかけです。そこで勉強させてもらって、独立を5年前にしました。

そもそも農業は実際に職業として成り立たせるのは難しいものです。ですが、苦労してでも今独立できているのは村おこしでお米をつくって食べたときの感動があったからだと思います。

-農業をやっていて感じるやりがいはなんですか?

自分がつくった農作物をお客さんが食べてくれて、美味しいって言ってくれることです。直接親戚や友達に農作物を送ったときに返ってくる意見が、農業をやっていて一番嬉しいと感じることです。やりがいとしてはそれが大きいですね。

現実的な部分では、自分の技術が上がって収量として農作物がしっかりと取れて、現金収入として経営が回るということも自営業としてのやりがいの1つだと思います。

-農業をしている中で苦労したことはなんですか?

自営業なので、自分の体1つしかないということです。作業の組み立て方によっては、体がいくらあっても足りないこともあります。自分だけでは収穫がその日の内に終わらなくて、夜8時まで車のヘッドライトをつけて収穫したりしたこともあります。

作業自体は自営業なので融通が利きます。だから計画的に作業を進めればそこまで無理はかからないですが、配分を間違えると体を壊すほどしんどい目にあうというのが自営業の恐ろしさだと思います。


-農業をする上で大切にされていることやこだわりはありますか?

農業をしようと思ったきっかけが村おこしの田んぼプロジェクトなこともあって、とことん無農薬とか有機栽培とかにこだわりたいと思って農業を始めたけど、実際それをするとトマトとかに病害虫が大量に発生してしまいます。近隣の住民、他の農家さんなどに迷惑がかかってしまうことになります。ただ、できるだけ減農薬にはこだわって栽培しています。そこを限りなく突き詰めていくのが、トマト栽培、白ネギ栽培、とうもろこし栽培のこだわりかなと思います。

経営面では、自分の体が全てで体調を壊すと経営が回らなくなってしまうということから日々体調面のことを考えて、無理の無い作業、無理の無い経営計画を考えています。

-今後の目標はなんですか?

目標と言うより夢になるのですが、農業をするために蒜山に入ってきている若い世代の人たちと協力していつか農業のテーマパークのような形にできたらな、と。その足掛かりとして農村カフェや観光農園を考えています。

農村カフェは村おこしをしていたころからずっとやりたかったです。イメージとしてはカフェの隣に畑があって、そこで取ったものをシェフが料理して出すという感じですね。

あとは今年、トマトの収穫体験とかができる観光農園をやろうと思っていたけどコロナの影響があって中止しました。コロナが落ち着いたら、その農園の中で農村カフェとかをしていきたいなと思っています。

-蒜山とはどういう場所ですか?

蒜山高原は真庭市の一番北の蒜山三座がある周辺の事を指します。高原と言うだけあって朝晩は涼しいし、昼間は風が涼しいので夏も過ごしやすいです。空気も水も美味しいですし。

最近は雪がかなり少なくなってきていますが、僕が蒜山に来てからの7年の中で一度2mぐらい積もったことがあります。

あとはジャージー牛を飼っている農家が日本の中でも多いです。酪農と農業が地域の中で混ざり合っていて、牧歌的で良い場所ですね。冬場は寒いけど、スキー場もあります。夏冬問わず、外からのお客さんが来るので田舎だけどいろんな人との交流ができます。開かれた田舎という感じですね。

-コロナによる影響はありましたか?

直接の影響は無かったです。今の出荷先のメインが、地域の直売所と農協と生協ですが、農協は全然影響がないです。直売所はちょっと減りましたね。生協はあまり聞いては無いけど、コンスタントに注文はあるので増えているのかな、と思っています。個人としては売上に影響があった感覚はない。

コロナウイルスに対する危機感をこういった田舎の地域の人たちはとても強く持っているとひしひしと感じます。そういう意味で、弟とか妹が東京で働いてるのですが、遊びに来てもらえていないのは寂しいです。


-この投稿を見てくれている人に一言お願いします!

この仕事は体を使ってする仕事で、太陽と共に仕事が始まって太陽と共に終わる毎日の仕事を繰り返していくとすごく気持ちが良いです。汗だくで帰ってきて夜に飲むビールは最高だし、朝上がる朝日も最高だし、蒜山で農業ができてとても幸せに思います。

村おこしのときの経験が仕事に繋がっているという林さんの言葉がとても興味深かったです。

新型コロナウイルスが落ち着いたら、是非実際に行って畑の風景を見てみたいと思いました!

インタビュー先概要

亮麻農園

林 亮佑さん

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